映画に感謝を捧ぐ! 「城砦」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はキング・ヴィダー監督の「城砦」に
感謝を捧げようと思います。
城砦 [DVD] - ロバート・ドーナット, キング・ヴィダー, ロバート・ドーナット, ロザリンド・ラッセル, ラルフ・リチャードソン, レックス・ハリソン
A・J・クローニンの同名小説をもとにして作られた本作は
過激さと堅実さを兼ね備えた大いなる医師伝であります。
村社会特有の閉鎖性、医療界の暗部
富&名声が人心に与える悪影響に踏み込んでいく過激さと
娯楽的スリル&サスペンス、ロマンス、ユーモアを網羅し
効率的に進める部分と見せ場となる部分を
区分けする堅実さが一体となった
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「社会風刺&教訓性と娯楽性の均整を保つ妙技」と
「医療」という生き様を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(主演男優の熱演を最大限に生かした
映像技によって娯楽映画的盛り上げを生成しつつ
「万事解決のハッピー・エンド」を避け
渋味を利かせた幕切れへと着地している点も見逃せません。)
まさに「人情劇+サクセス・ストーリー型医療論」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
社会派的メッセージと娯楽的サービス
舞台劇技法と映画技法
シリアスとユーモアをバランス良く配合した映像技&作劇法によって
後年の医療系映画&TVドラマを導く存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。