映画に感謝を捧ぐ! 「小間使の日記」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はルイス・ブニュエル監督の「小間使の日記」に

 感謝を捧げようと思います。

小間使の日記 [DVD] - ジャンヌ・モロー, ミシェル・ピッコリ, ジョルジュ・ジェレ, ルイス・ブニュエル
小間使の日記 [DVD] - ジャンヌ・モロー, ミシェル・ピッコリ, ジョルジュ・ジェレ, ルイス・ブニュエル

 小間使い「セレスティーヌ」と彼女を取り巻く人々の

 運命を描いた本作は

 怪しさと上品さが複雑に絡み合う日常劇であります。

 空間的スケール感を抑制しつつ

 フランス上流社会に潜む狂気を描いていくストーリーと

 暴力&性的な部分を巧みに抽象化しつつ

 猟奇的且つ上品な雰囲気を醸し出す演出が

 一体となる光景は

 私に、大衆娯楽性と純文学性が独特のバランスで

 共存する現象の一形態と

 人生に潜むスリル&サスペンス+ブラック・ユーモア要素の

 一端を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドと社会的狂気の高まりがせめぎ合う

 決着→幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰性文学系日常劇」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 L・ブニュエル監督作特有の不条理性&反権威性

 主演女優J・モローの妖しげな美貌

 素朴な風景美が一堂に会し

 フランスの暗部を静かに写し出す本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。