映画に感謝を捧ぐ! 「折れた銃剣」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はサミュエル・フラー監督の「折れた銃剣」に
感謝を捧げようと思います。
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ジョン・ブロフィの小説をもとにして作られた本作は
暴力と精神の関係を追求し続けたS・フラー監督の魂と
アメリカ流軍事アクションが融合する事によって
生を受けた戦争映画であります。
武勇伝要素を極限まで抑制し
兵士たちの心情&交流を静かに描いていくストーリーと
西部劇風味と冒険活劇風味を兼ね備えながらも
クールな雰囲気に包まれた戦闘描写が一体となる光景は
私に反戦的台詞に依存することなく「戦争の非情さ」を
鮮明化する手法と
娯楽的スリル&サスペンスと文学的表現法が
独特のバランスで共存する現象の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの形態を取りながら
「戦争にハッピー・エンドは存在しない」という
メッセージを放つかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「文学+活劇系戦争映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
繊細な下士官のサクセス・ストーリー
味方を救うために囮となる事を余儀なくされた男たちの人間模様
心技体の限りを尽くした山岳戦が一体化した本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。