映画に感謝を捧ぐ! 「折れた銃剣」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はサミュエル・フラー監督の「折れた銃剣」に

 感謝を捧げようと思います。

巨匠たちのハリウッド 生誕百周年記念 サミュエル・フラー 傑作選 折れた銃剣 [DVD] - リチャード・ベイスハート, ジーン・エヴァンス, マイケル・オシーア, リチャード・ヒルトン, サミュエル・フラー
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 ジョン・ブロフィの小説をもとにして作られた本作は

 暴力と精神の関係を追求し続けたS・フラー監督の魂と

 アメリカ流軍事アクションが融合する事によって

 生を受けた戦争映画であります。

 武勇伝要素を極限まで抑制し

 兵士たちの心情&交流を静かに描いていくストーリーと

 西部劇風味と冒険活劇風味を兼ね備えながらも

 クールな雰囲気に包まれた戦闘描写が一体となる光景は

 私に反戦的台詞に依存することなく「戦争の非情さ」を

 鮮明化する手法と

 娯楽的スリル&サスペンスと文学的表現法が

 独特のバランスで共存する現象の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドの形態を取りながら

 「戦争にハッピー・エンドは存在しない」という

 メッセージを放つかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「文学+活劇系戦争映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 繊細な下士官のサクセス・ストーリー

 味方を救うために囮となる事を余儀なくされた男たちの人間模様

 心技体の限りを尽くした山岳戦が一体化した本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。