映画に感謝を捧ぐ! 「フローズン・アフター20XX 孤高のドクター」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアナイス・グラノフスキー監督の

 「フローズン・アフター20XX 孤高のドクター」に感謝を捧げようと思います。

フローズン・アフター20XX 孤高のドクター LBX-729 [DVD] - ピーター・ステッビングス, イングリッド・ヴェニンガー, クラーク・ジョンソン, チャールズ・オフィサー, アナイス・グラノフスキー
フローズン・アフター20XX 孤高のドクター LBX-729 [DVD] - ピーター・ステッビングス, イングリッド・ヴェニンガー, クラーク・ジョンソン, チャールズ・オフィサー, アナイス・グラノフスキー

 氷河期後の世界で暮らす外科医「ガブリエル・グッド」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 暇つぶし映画的スピード感と

 陰性ハッタリ精神に彩られたSF映画であります。

 SF的装飾、サスペンス的思わせぶり

 愛憎劇+陰性ホームドラマ的人間模様を取り込みつつ

 淡々と進行するストーリー&演出は

 

 私に「ハッタリ精神と効率主義による共同戦線」と

 肉体的欠損&閉鎖的環境と精神的欠損

 社会&経済とテクノロジーの複雑な関係を

 SF的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (和やかな残酷さ&哀愁に包まれた

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「閉鎖系+恋愛悲劇系SF」の称号にふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 陰鬱さを醸し出す映像技+俳優&女優陣と

 回想描写を多用しつつ

 状況設明を極限まで抑制する作劇法を駆使して

 「身体障害」という繊細な題材と未来形SF要素を

 兼ね備えた作品作りに挑んだ本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。