映画に感謝を捧ぐ! 「鏡の中の女」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はイングマール・ベルイマン監督の
「鏡の中の女」に感謝を捧げようと思います。
鏡の中の女 [DVD] - リヴ・ウルマン, イングマール・ベルイマン, イングマール・ベルイマン, リヴ・ウルマン, エルランド・ヨセフソン, アイノ・トーベ・ヘンリクソン, グンナール・ビョルンストランド, カリ・シルバン, シフ・ルード, スヴェン・リンドベルイ, レナ・オリン
スウェーデンの同名TVシリーズをもとにして作られた本作は
文学性、迷宮性、色彩へのこだわりが静かに交錯する
女性映画であります。
現実と夢、愛と狂気、穏やかさと怪しさが
複雑に絡み合ったストーリーと
絵画的美しさと怪奇風味を兼ね備えた映像を駆使して
ヒロインの心身&日常が静かに崩壊していく姿を
描いていくという試みは
私に「環境と精神を結ぶ絆」・「人生の純文学性」
「犯罪の間接被害」・「精神医療のリスク」を
映画的に表現する手法と
「幻惑的表現法と映像美が並び立つ光景」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(純文学的表現法を多用しつつ
ヒロインの「再出発」を娯楽的にわかりやすく描写した
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「純文学系異常心理日常劇」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
狂気に囚われた人々との交流と哀しき過去によって
「2つの世界」を流離う存在となったヒロインの姿を
華麗にして技巧的な作劇法&映像技によって写し出す事によって
「TV作品の再編集版」の領域を超えた重厚感を持つ存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。