映画に感謝を捧ぐ! 「天使(1937年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はエルンスト・ルビッチ監督の「天使(1937年版)」に
感謝を捧げようと思います。
天使 [DVD] - マレーネ・ディートリッヒ, エルンスト・ルビッチ, マレーネ・ディートリッヒ, ハーバート・マーシャル, メルヴィン・ダグラス, エドワード・E・ホートン, サムソン・ラファエルソン
メルキオール・レンジェルの戯曲をもとにして作られた本作は
思わせぶり戦術と上品さが交錯する愛憎劇であります。
上流社会夫婦の穏健な日常が
運命&愛のいたずらによって崩壊していく姿を
史劇要素を絡めながら描いていくという試みは
私に「暴力&犯罪」に依存しないスリル&サスペンス生成術と
「悪意なき心理戦」の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(不倫映画史上屈指の「哀しきクールさ」に包まれた
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ハッタリ入り穏健派愛憎劇」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
外交官という職業が抱えるリスク&愛に潜む危険要素を
娯楽的暴力&お色気に依存することなく
映像化することに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。