映画に感謝を捧ぐ! 「夜までドライブ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はラオール・ウォルシュ監督の「夜までドライブ」に
感謝を捧げようと思います。
夜までドライブ [DVD] - ジョージ・ラフト, ラオール・ウォルシュ
A・I・ベゼリデスの小説「長距離」をもとにして
1940年に作られた本作は
「トラック運転手」を題材とした映画史上屈指の
バランス感覚を誇る強豪作であります。
ロマンス、サスペンス、道中劇、社会風刺が
互いの特性を生かしながら共存するストーリーと
適正なスケール感&スピード感を維持しながら
娯楽的スリル&サスペンスを高めていく演出
極道映画風味と庶民的ムードを兼ね備えた
俳優&女優陣が一体となる光景は
私に娯楽映画的魅力を保ちつつ
「トラック運転手の過酷な生き様、交通事故が人心に与えるダメージ
運送業者の暗部、愛と悪意&狂気を結ぶ絆」を
世に知らしめる試みの一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(神経質な悪女に扮したA・ルピノの怪演ぶりと
勧善懲悪の爽快感と悲劇性が絡み合う
「決着の付け方」となっている点も見逃せません。)
まさに「運送業界映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
複数の娯楽要素を網羅する貪欲さと
大衆食堂的魅力と教訓劇的魅力の均整を保つ堅実さによって
後年の映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。