映画に感謝を捧ぐ! 「風の女王」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は佐々木康監督の「風の女王」に

 感謝を捧げようと思います。

風の女王 [DVD] - 佐野周二, 高杉早苗, 佐々木康
風の女王 [DVD] - 佐野周二, 高杉早苗, 佐々木康

 片岡鉄平の同名小説をもとにして作られた本作は

 軽快さと情緒が絡み合う恋愛劇であります。

 暇つぶし映画的効率主義を保ちつつ

 登場人物の結びつきを複雑化させ

 愛憎の底なし沼へと踏み込んでいく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「日常劇と情報戦の融合」がもたらす科学反応と

 運命&男女関係の複雑怪奇さを

 映画的に表現する手法の

 

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (欲望渦巻く悪漢カップルと

 愛故に「悲劇」へと向かっていく男の末路を巧みに抽象化し

 ホームドラマ的ハッピー・エンドへと導く作劇法に

 驚かされる幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「和製軽量級恋愛悲劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 人情劇の世界が愛憎劇に染まっていく姿を

 軽やかさ&和やかさとスリル&サスペンスの

 均整を保ちながら写し出していく本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。