映画に感謝を捧ぐ! 「893愚連隊」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は中島貞夫監督の「893愚連隊」に
感謝を捧げようと思います。
893愚連隊 [DVD] - 松方弘樹, ケン・サンダース, 藤健次, 荒木一郎, 宮園純子, 桑原幸子, 稲野和子, 近藤正臣, 広瀬義宣, 中島貞夫(監督), 中島貞夫, 中島貞夫, 松方弘樹
京都の一角で暮らす愚連隊の運命を描いた本作は
凶悪さと和やかさが交錯する極道映画であります。
小規模な極道稼業を営みながら
刹那的&享楽的に暮らす男たちの日常を
アクション・サスペンス・ロマンス・コメディを絡み合わせながら
描いていくストーリーと
「京都」という舞台の特性を最大限に生かした映像技が
豪快且つ軽やかに進行する光景は
私に「巨悪と小悪が織りなす抗争」の醍醐味と
「凶悪さと滑稽さを結ぶ絆」・「犯罪が日常化した世界」
「時代の変化に翻弄される男の苦悩」
「男気と野性的欲望、野心と堅実さのせめぎ合い」を
映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(様々な物を失いながらも
陽気且つ悪童的に生きていく男たちの姿が
ハッピー・エンドや悲劇とは異なる「味わい深さ」を
感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「和製軽量級日常系極道映画」の雄と呼ぶに
ふさわしい作品であると言えるでしょう。
アウトロー感+庶民的ムード溢れる物語&映像の中に
ある種の文学性と「東映的任侠認識」に対する皮肉を宿す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。