映画に感謝を捧ぐ! 「落とし穴(1948年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアンドレ・ド・トス監督の「落とし穴(1948年版)」に

 感謝を捧げようと思います。

落とし穴 [DVD] - デイック・パウエル, リザベス・スコット, ジェーン・ワイアット, レイモンド・バー, アンドレ・ド・トス, デイック・パウエル
落とし穴 [DVD] - デイック・パウエル, リザベス・スコット, ジェーン・ワイアット, レイモンド・バー, アンドレ・ド・トス, デイック・パウエル

 ジェイ・ドラットラーの小説「The Pitfall」を

 もとにして作られた本作は

 技巧と皮肉に彩られた愛憎劇であります。

 本人の意図せぬ形で男3人の運命を

 狂わせてしまった女の悲劇を

 不倫映画とサスペンス映画を融合させた技法によって

 写し出していくストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に、ロマンスとサスペンスの秘めたる共通項と

 「愛」の暗黒面を映画的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「ハッピー・エンド」が現実を隠蔽することによって

 成り立つ存在であるというメッセージを

 発するかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「心理戦型愛憎劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 愛と狂気を結ぶ絆&人生のサスペンス性を

 技巧的且つ効率的に描写することによって

 後年の「ストーカー行為」を先取りする存在となった本作と 

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。