映画に感謝を捧ぐ! 「黒い天使(1946年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はロイ・ウィリアム・ニール監督の

 「黒い天使(1946年版)」に感謝を捧げようと思います。

黒い天使 [DVD] - ダン・デュリエ, ロイ・ウィリアム・ニール
黒い天使 [DVD] - ダン・デュリエ, ロイ・ウィリアム・ニール

 コーネル・ウーリッチの同名小説をもとにして作られた本作は

 堅実さの中に「趣味人風味」を宿す

 サスペンス映画であります。

 巻き込まれサスペンスの王道に沿って

 

 効率的に進行しつつ

 歌曲へのこだわりを見せるストーリー&演出は

 私に「簡略化すべき部分」と「じっくり示すべき部分」を

 心得た映像作品作りの醍醐味と

 「愛情と友情、記憶とイメージのせめぎ合い」の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (悲劇によってハッピー・エンドへと導かれるという

 皮肉の効いた幕切れが

 人生の神秘性を写し出している点も見逃せません。)

 まさに「コンサート型サスペンス映画」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 暇つぶし映画的効率主義、サスペンス映画的サービス精神

 スター&挿入歌主義を融合させることによって

 後年の映像作品に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。