映画に感謝を捧ぐ! 「翻訳不要」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマイケル・チミノ監督の「翻訳不要」に
感謝を捧げようと思います。
それぞれのシネマ ~カンヌ国際映画祭60回記念製作映画~ [DVD] - テオ・アンゲロプロス, マノエル・ド・オリヴェイラ, 北野武, ジョエル&イーサン・コーエン, ロマン・ポランスキー, アトム・エゴヤン, ヴィム・ヴェンダース, クロード・ルルーシュ, アッバス・キアロスタミ, アキ・カウリスマキ, ガス・ヴァン・サント, ラウル・ルイス, デイヴィッド・リンチ, チェン・カイコー, オリヴィエ・アサイヤス, ナンニ・モレッティ, ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ, デイヴィッド・クローネンバーグ, ユーセフ・シャヒーン, ウォルター・サレス
キューバの女性歌手と
彼女を撮影する監督の運命を描いた本作は
軽やかな皮肉に包まれた舞台裏映画であります。
狂気を感じさせるほどの高揚感で
女性歌手を迎え入れ、撮影する監督と
収録された映像をスクリーンで見つめる女性歌手が
過度に技巧的な映像表現に対して怒り
狂乱する姿が
暴れ馬的な軽快さで進行する光景は
私に「演出的狂気&無器用な愛情表現」と
撮影者と被写体の「精神的結びつき」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(M・チミノ監督の「トラブルメーカー的生き様」を
象徴するかのような混沌を感じさせる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「不条理系舞台裏映画」史上屈指の
狂乱性を感じさせる作品であると言えるでしょう。
熱気と狂気が入り乱れる「コンサート映像」の舞台裏に
映画に対する「独特の愛」を宿す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。