映画に感謝を捧ぐ! 「殺しのテクニック」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフランク・シャノン(フランコ・プロスベリ)監督の
「殺しのテクニック」に感謝を捧げようと思います。
殺しのテクニック NLD-010 [DVD] - ロバート・ウェッバー, フランコ・ネロ, ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ, セク・リンダー
殺し屋「クリント」と彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
凶暴さと哀愁が交錯する殺し屋映画であります。
暴力と裏切りに彩られたミッションを題材としつつ
クール且つ文学的に進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に娯楽映画的スリル&サスペンス+ロマンスを保ちつつ
「殺人」が日常化した人間の精神に迫る試みと
犯罪と犯罪捜査の近似性を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(アクション映画的爽快感よりも
「闘いに生きた男」が抱える絶望感&孤独感に
重きを置いた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性文学系殺し屋映画」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
冷酷な佇まいの中に「哀しみ」を宿す主人公
軽薄さと狂気を兼ね備えた相棒
神秘性と狡猾さが同居する標的が織りなす
暴力的且つ陰鬱な人間模様と
技巧的でありながらも淡々としたアクション・シーンの
融合がもたらす科学反応によって
活劇的でありながらも渋味の利いた殺し屋映画となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。