映画に感謝を捧ぐ! 「カモ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリチャード・フライシャー監督の「カモ」に
感謝を捧げようと思います。
カモ [DVD] - ビル・ウィリアムズ, リチャード・フライシャー
記憶を失い、密告疑惑をかけられた兵士
「ジェームズ・フレッチャー」と彼を取り巻く
人々の運命を描いた本作は
暇つぶし映画的技術に長けた巻き込まれ映画であります。
「ジャンルの王道要素を的確に押さえる」・「戦争被害の挿入」
「効率的に状況を進行させる」・「記憶状態の映像化」
「台詞による状況設明&記憶回復に一定の必然性を持たせる」事によって
物語上の問題点を補強し、娯楽的魅力を保ち続けながら
進行するストーリー&演出は
私に「戦争がもたらすモラル崩壊」を
映画的に表現する手法の一形態と
躍動感のあるスリル&サスペンスの醍醐味を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(暴力への依存を抑制し、法治的な決着を重視した
「決着の付け方」となっている点も見逃せません。)
まさに「記憶喪失映画&戦争被害入門」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
娯楽映画的見せ場&躍動感を維持しながら
「戦争の間接被害」を写し出すことによって
娯楽性とメッセージ性の均整を保つ手法を
世に示す存在となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。