映画に感謝を捧ぐ! 「殺人者(1946年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロバート・シオドマク監督の「殺人者(1946年版)」に
感謝を捧げようと思います。
殺人者 [DVD] - ミクロス・ローザ, エヴァ・ガードナー, バート・ランカスター, エドモンド・オブライエン, アルバート・デッカー, ロバート・シオドマク, ジョン・ヒューストン, ウディ・ブレデル
アーネスト・ヘミングウェイの小説「殺し屋」を
もとにして1946年に作られた本作は
娯楽映画的加工術に彩られたサスペンス映画であります。
短編小説「殺し屋」に探偵映画、悪女映画
極道映画の装飾を施す事によって生を受けた
ストーリー&演出、キャラクター造形が
軽快且つ技巧的に進行する光景は
私に、文学の娯楽映画化と
「肉体的な死&精神的な死」を映画的に表現する手法の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(B・ランカスターの純朴な佇まい&A・ガードナーの美しき妖気が
作品の魔性&悲劇性を高めている点と
勧善懲悪の爽快感よりも
諦めの境地に達した悪漢&悪女の執念深さが
印象深い「決着の付け方」となっている点も見逃せません。)
まさに「文学の映画化入門」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
人々の想像力を刺激する短編小説から生を受け
後年の「小説をもとにして作られる映画」に対する
道しるべの一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。