映画に感謝を捧ぐ! 「ざくろの色」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はセルゲイ・パラジャーノフ監督の
「ざくろの色」に感謝を捧げようと思います。
ざくろの色(デジタル・リマスター版) [DVD] - ソフィコ・チアウレリ, セルゲイ・パラジャーノフ
「詩人」と彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
静かなる神秘性&純文学性に満ちた史劇であります。
アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの生涯&精神を
映像的に表現するという目的を果たすため
肖像画、アニメーション映画、実写映画の技術を
融合させたストーリー&演出が
軽快且つ舞台劇的に進行する光景は
私に、ジャンルの垣根を越えた「芸術&文化的共同戦線」と
鑑賞者の想像力を最大限に刺激する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(詩人の「新たなる旅立ち」を静かに描きつつ
芸術&文学が「時間を超越した存在」であるという
メッセージを放つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「映画的C・ノヴァ入門+文化&芸術論」の
称号にふさわしい挑戦作であると言えるでしょう。
詩的感性、中世ヨーロッパ文化、各種映画技法
舞台劇的編集術が一堂に会し
詩人C・ノヴァへの思いを示す光景に圧倒される本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。