映画に感謝を捧ぐ! 「生まれながらの殺し屋」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロバート・ワイズ監督の「生まれながらの殺し屋」に
感謝を捧げようと思います。
生まれながらの殺し屋 [DVD] - ローレンス・ティアニー, ロバート・ワイズ
ジェームズ・ガンの小説「Deadlier than the Male」を
もとにして作られた本作は
多彩な娯楽映画を世に送ったR・ワイズ監督の手腕と
愛と狂気に関する一考察に
彩られたサスペンス映画であります。
愛憎渦巻く登場人物たちの運命が
軽やかに絡み合っていくストーリーと
サスペンス映画的技術力と
暇つぶし映画的サービス精神&効率性を
兼ね備えた演出が一体となって
凶悪な魂を持った男に魅入られ「悪」に染まっていく
女性の姿を映し出していく光景は
私に「サスペンスとラブストーリーを結ぶ絆」と
悪の持つ「魅力&伝染性」を映画的に表現する
手法の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(悪の底なし沼に溺れた人々と
溺れる寸前で脱出した男の末路を
ブラック・ユーモア的に描写した幕切れとなっている点も
見逃せません。)
まさに「愛憎系異常心理サスペンス」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
大衆食堂性と文学性、人心に潜む神と悪魔
サスペンスとロマンス&ホームドラマがせめぎ合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。