映画に感謝を捧ぐ! 「いとこ同士」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はクロード・シャブロル監督の
「いとこ同士」に感謝を捧げようと思います。
いとこ同志 クロード・シャブロル HDマスター DVD - ジェラール・ブラン, クロード・シャブロル, クロード・シャブロル, クロード・シャブロル, アンリ・ドカエ, ポール・ミスラキ, ジェラール・ブラン, ジャン=クロード・ブリアリ, ジュリエット・メニエル, クロード・セルヴァル, ステファーヌ・オードラン
パリに大学に通うことになった青年「シャルル」と
従兄弟「ポール」の運命を描いた本作は
物語と映像が互いの持ち味を生かし合う
青春映画であります。
純真な青年が都会&若者心理の暗部に
飲み込まれていく姿を
陰性文学的に描いていくストーリーと
技巧的見せ方&幻惑的表現法を多用した演出が
一体となる光景は
私に「理想像と現実のせめぎ合い」
「人生&時代の過渡期に訪れる混乱」を
映画的に表現する手法と
作劇法と映像技が最高級の相性で結ばれる光景の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(物理的死と精神的死を結ぶ絆と
人生のブラック・ユーモア性&残酷性を
静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性純文学系青春映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
大人達が抱く「理想の若者像」と
1950年代後半に起きた「アウトロー文化の台頭」を
象徴するかのような男二人が織りなす華やかで危険な日々を
文学的台詞と技巧的映像技を駆使して描いていく本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。