映画に感謝を捧ぐ! 「解散式」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は深作欣二監督の「解散式」に
感謝を捧げようと思います。
解散式 [DVD] - 鶴田浩二, 渡辺美佐子, 丹波哲郎, 深作欣二
8年の刑期を終えた後、帰郷した男「沢木」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
生真面目さの中に反抗精神を宿す極道映画であります。
東映任侠路線の法則に沿って進行しつつ
「悪漢同士の抗争に重きを置く」
「反極道的台詞&好敵手造形」
「敵将格の肩すかし&人情劇的最期」
「近代暴力的&躍動感+技巧性重視の戦闘描写」を
導入したストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「王道」を進みつつも我流を求める映像技&作劇法と
高度成長の暗部&極道の本能+宿命を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(勧善懲悪的爽快感よりも「虚しさ」を感じさせる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「反任侠系極道映画」の静かなる胎動を告げる
過激作であると言えるでしょう。
ビジネスと人情、勧善懲悪劇と抗争劇
商売人的装飾と極道的本能、スター主義とストーリー主義
活劇性と暴力性が壮絶にせめぎ合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。