映画に感謝を捧ぐ! 「ヒトラー Vs ピカソ 奪われた名画の行方」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はクラウディオ・ポリ監督の

 「ヒトラー Vs ピカソ 奪われた名画の行方」に感謝を捧げようと思います。

ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ [DVD] - トニ・セルヴィッロ, クラウディオ・ポリ
ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ [DVD] - トニ・セルヴィッロ, クラウディオ・ポリ

 ナチス・ドイツによる美術品略奪について記録した本作は

 1964年の映画「大列車作戦」の流れを汲む目線で

 「ナチス・ドイツ」の狂気を写し出す記録映像であります。

 ナチス・ドイツ文化政策&略奪行為を通じて

 第2次大戦期のヨーロッパ文化事情

 芸術と権力の危険な関係、戦争の間接被害

 過去の傷から生成された狂気を「正義」であるかのように

 掲げる支配者がもたらす惨劇を世に示した映像&語り口は

 私に「時代に翻弄された芸術家&作品」と

 権力者による洗脳術を後世に残す試みの

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ピカソの言葉を通じて「創作」に関わる人々への

 激励と警鐘の入り交じったメッセージを放つ

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「文化系ナチス・ドイツ&歴史+社会論」の

 一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 ナチス・ドイツの戦略によって利用され、破壊された

 人々&創作物の姿を通じて

 「芸術」をビジネス&精神支配の道具として利用する

 暴君&側近達の恐怖を世に知らしめた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。