映画に感謝を捧ぐ! 「危険な女(1946年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・ブラーム監督の
「危険な女(1946年版)」に感謝を捧げようと思います。
危険な女 [DVD] - ラレイン・デイ, ロバート・ミッチャム, ブライアン・エイハーン, ジョン・ブラーム, ラレイン・デイ
謎の女性「ナンシー」と彼女を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
実験性と堅実さが交錯する悪女映画であります。
幼少期のトラウマによって「宝石」に執着する
悪女となってしまったヒロインに翻弄される男たちの姿を
回想描写を積み重ねながら写し出していくストーリー&演出は
私に悪女映画の定番と編集的実験を融合させながら
「上流社会」の気まぐれ&傲慢さがもたらす悲劇と
犯罪と精神の関係に関する考察を示そうとする試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(悪女の末路&最後の選択を曖昧化することによって
鑑賞者の想像力を刺激する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「異常心理系悪女映画」史上屈指の実験性を
感じさせる作品であると言えるでしょう。
魔性と哀愁、娯楽的サービス精神と実験精神
サスペンスとロマンスが複雑に絡み合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。