映画に感謝を捧ぐ! 「ローラ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャック・ドゥミ監督の「ローラ」に
感謝を捧げようと思います。
ローラ ジャック・ドゥミ DVD HDマスター - ジャック・アルダン, ジャック・ドゥミ, ジャック・ドゥミ, カルロ・ポンティ, ジョルジュ・ドゥ・ボールガー, ラウール・クタール, ミシェル・ルグラン, ジャック・アルダン, アヌーク・エーメ, マルク・ミシェル, コリンヌ・マルシャン
キャバレーの踊り子「ローラ」と彼女を取り巻く
人々の運命を描いた本作は
技巧と情味に彩られた恋愛劇であります。
踊り子と母親という二つの顔を持つ
陽気にして繊細な女性と
彼女に魅了された男たち&彼らに関わる女たちが
織りなす愛の日々を
技巧的な作劇法&映像と文学的ムードの
均整を保ちながら描いていくストーリー&演出は
私に「複数のロマンス」を1つの物語へとまとめ上げる技法
絵画的魅力と動画的魅力の共同戦線
愛の持つ強さ&危うさを映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(幸福な旅立ちと哀しき旅立ちを静かに交錯させる
事によって「ハッピー・エンドと悲劇の表裏一体性」を
写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「技巧派男女心理&初恋論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
甘いロマンスと哀しきロマンス、素朴さと技巧性
フランス文化とアメリカ文化が静かに絡み合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。