映画に感謝を捧ぐ! 「ヒッチ・ハイカー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 

 今回はアイダ・ルピノ監督の「ヒッチ・ハイカー」に

 感謝を捧げようと思います。

ヒッチ・ハイカー [DVD] - エドモンド・オブライエン, アイダ・ルピノ, エドモンド・オブライエン, フランク・ラブジョイ, ウイリアム・タルマン
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 アメリカで発生した「ヒッチハイカー殺人事件」を

 もとにして作られた本作は

 映画的ダイエット術とサスペンス技法に彩られた

 実話系犯罪映画であります。

 各種サスペンス技法によって

 主人公2人&犯人の危険な旅と

 追跡側の事情を交錯させつつ

 感動誘発的装飾&ロマンスに背を向けて

 暇つぶし規模のスケール感&スピード感を

 保ち続けるストーリー&演出は

 

 私に「状況設明」を極限まで抑制することによる物語の効率化と

 映像的スリル&サスペンス生成の共存法と

 旅行に潜むトラブル要因と

 危機的状況に対して冷静に「活路」を見いだすことの重要性を

 映画的に表現する手法の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (武闘派的決着に背を向けて

 専門家による逮捕術と

 犯罪に巻き込まれた一般人の心理に重きを置いた

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「巻き込まれ映画入門」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。

 銃撃戦、破壊、性描写、状況説明的台詞に依存することなく

 犯罪者の狂気、犯罪に巻き込まれた人間の心理

 警察の捜査過程が一本の線へと繋がっていく姿を

 描いていく作劇法&映像技によって

 後年の「ヒッチャー」等に通じる道を切り開いた本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。