映画に感謝を捧ぐ! 「スペードの女王(1948年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はソロルド・ディキンソン監督の
「スペードの女王(1948年版)」に感謝を捧げようと思います。
スペードの女王 [DVD] - アントン・ウォルブルック, エディス・エヴァンス, ロナルド・ハワード, メリー・ジェロルド, ソロルド・ディキンソン
アレクサンドル・プーシキンの同名小説をもとにして
1948年に作られた本作は
上品さと残酷さが交錯する怪奇映画であります。
愛と狂気、史劇とサスペンス&ホラー
舞台技法と映画技法が複雑に絡み合う
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に社会の暗部と神秘が融合することによって
生じる科学反応と
暴力に依存しない怪奇恐怖生成術の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(結末の意味を鑑賞者の心にゆだねる
純文学的な幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性文学系怪談」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
人の邪心&恐怖心によって呼び出された「悪魔」がもたらす
愛と野心&疑心のせめぎ合いを
見世物的恐怖描写&性描写に依存することなく
描くことに挑んだ本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。