映画に感謝を捧ぐ! 「フリークス 怪物團」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はトッド・ブラウニング監督の
「フリークス 怪物團」に感謝を捧げようと思います。
怪物團 [DVD] - ウォーレス・フォード, オルガ・バクラノヴァ, トッド・ブラウニング
トッド・ロビンスの小説「スパーズ」をもとにして作られた本作は
軽量さの中に壮絶なる皮肉&観察眼を宿す
日常劇であります。
愛憎&欲望渦巻くサーカス団の人間模様
サスペンス&ホラー風味溢れる映像技
過剰なまでに個性的な外見を持った
俳優&女優陣を融合させることによって
怪奇恐怖と心理的恐怖が共存する作品世界が
生成されていく光景は
私に閉鎖的環境がもたらす人間性の歪みと
「外見」によって内面を判断してしまう恐怖を
映画的に表現する試み
「本物」故の存在力&説得力を最大限に発揮する描写法
モンスター映画要素とホームドラマ要素が
独特のバランスで共存する現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(内面が外見を侵略したかのような雰囲気に包まれた
「悪女の末路」が印象深い幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級愛憎+日常劇」の歴史に輝く
大胆不敵な強豪作であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感&スピード感で
怪奇恐怖の源が「人心」に宿る悪であるとメッセージ
世間とは一線を画した個性によって
世に受け入れられぬ存在となってしまった人々への愛情
表面的イメージによって他者を判断する本能に対する
警鐘を放つ姿に圧倒される本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。