映画に感謝を捧ぐ! 「曳き船」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジャン・グレミヨン監督の「曳き船」に
感謝を捧げようと思います。
曳き船 [DVD] - ジャン・ギャバン, マドレーヌ・ルノー, ミシェル・モルガン, シャルル・ブラヴェット, ジャン・グレミヨン
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
軽快にして貪欲な恋愛劇であります。
男同士の絆と男女の愛、災害と人間模様
和やかさと渋味、効率主義と見せ場主義が
絡み合うストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「海に生きる男たち&彼らを愛した女たち」の心理を
映画的に表現する手法と
活劇性、文学性、背徳性が独特のバランスで共存する
作品世界の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(船乗りの本能、愛を失った男の悲哀、宗教映画風味が
勇壮且つ静かに融合した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「海洋系愛憎劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。
アクション、サスペンス、ロマンス、ホームドラマ
コメディの醍醐味が上品に凝縮された本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。