映画に感謝を捧ぐ! 「呪いの血」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はルイス・マイルストン監督の「呪いの血」に
感謝を捧げようと思います。
呪いの血 [DVD] - バーバラ・スタンウィック, カーク・ダグラス, ルイス・マイルストン
運命のいたずらによって帰郷した男「サム」と
幼なじみ「マーサ&ウォルター」の運命を描いた本作は
様々な感情&技巧が交錯する悪女映画であります。
男女の愛、憎悪、疑心、罪悪感が時間の壁を越えて
せめぎ合うストーリーと
サスペンス技法とラブストーリー技法が
融合した演出が一体となる光景は
私に「過去と現在を結ぶ絆」・「罪が人心に与える影響」を
「男性の繊細さ&女性の強靱さ+凶悪性」を映画的に表現する手法と
人間の持つ「負の感情」が一作品に集結する現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(作品に潜む「怪奇性」を暗示するかのような邦題と
それぞれの形で「過去の呪縛」から解放された男女の姿が
印象深い幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「愛憎&因縁系悪女劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
忌まわしき過去に取り憑かれた人々が織りなす人間模様を
娯楽性と文学性を融合させながら描いていく事によって
後年のサスペンス映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。