映画に感謝を捧ぐ! 「サイレント・マウンテンー巖壁の戦場ー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアーンスト・ゴスナー監督の
「サイレント・マウンテンー巖壁の戦場ー」に感謝を捧げようと思います。
サイレント・マウンテン 巌壁の戦場 [DVD] - ウィリアム・モーズリー, ハラルド・ウィンディッシュ, クラウディア・カルディナーレ, フリッツ・カール, ユージニア・コスタンティーニ, コッラード・インヴェルニッツィ, アーンスト・ゴスナー
第1次大戦期のドロミテ山脈で繰り広げられる
迷路的な反戦メッセージに彩られた戦争映画であります。
複数の物語を交錯させながら進行するストーリーと
幻惑的表現法を多用する演出が一体となって
戦争の不条理性&残酷性を写し出していく光景は
私に、奇襲感溢れる「死」が
ブラック・ユーモアの領域へと達する現象と
戦争における人間の小ささを映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(戦争全体の状況を巧みに抽象化し
主人公の心情に重きを置いた
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「空間限定型戦争映画」の一翼を担う
作品であるといえるでしょう。
段階的に複雑怪奇化していくストーリー&演出によって
戦争がもたらす狂気を世に知らしめようとするかのような
気配を放つ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。