映画に感謝を捧ぐ! 「博徒斬り込み隊」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は佐藤純彌監督の「博徒斬り込み隊」に

 感謝を捧げようと思います。

東映任侠映画DVDコレクション 115号 (博徒斬り込み隊) [分冊百科] (DVD付) (東映任侠映画傑作DVDコレクション)
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 出所した元暴力団幹部「相羽雄作」と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 

 凶暴にして複雑怪奇な極道映画であります。

 

 巨大暴力団の猛威から

 地域密着型暴力団を守るための戦いと

 大組織の力によって多くを失った男の

 再生劇を組み合わせた物語から

 警察と暴力団の抗争劇へと段階的に移行していく

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「正義」を掲げる人間特有の残虐性と

 暴力&陰謀渦巻く世界を「知略&胆力」によって

 乗り越えようとする男たちに宿る熱気&悲哀を

 極道映画的に表現する手法の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「諸悪の根源」に一矢を報いながらも

 虚しさの強い幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「複数勢力乱立型極道映画」の一翼を

 担う作品であると言えるでしょう。

 東映任侠路線を彩る男たちが織りなす

 抗争劇として生を受けながら

 任侠路線の断末魔と

 「仁義なき戦い」をきっかけとして幕を開けた

 実録路線の序曲を感じさせる存在となった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。