映画に感謝を捧ぐ! 「血塗られた墓標」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はマリオ・バーヴァ監督の
「血塗られた墓標」に感謝を捧げようと思います。
悪魔狩りによる処刑から
2世紀の時を経て甦った公女「アーサ」が
もたらす惨劇を描いた本作は
技巧的魔性に溢れた怪奇映画であります。
17世紀のヨーロッパを覆う狂気
光&影を駆使した映像技、ホラー的人体破壊
童話的装飾&風景、俳優&女優陣の怪演が
一堂に会することによって生成された
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「神秘的恐怖とアトラクション的恐怖による共同戦線」と
吸血鬼系ホラーと悪魔系ホラーの特性を
融合させることによって生じる科学反応の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドに属しつつも
安堵感&爽快感よりも陰鬱さが勝る
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「中世史劇系怪奇映画」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
暇つぶし規模のスケール感&スピード感の中で
命を奪われる恐怖、魂を蝕まれる恐怖
理解不能な現象に遭遇する恐怖
過去の因縁に縛られる恐怖が絡み合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。