映画に感謝を捧ぐ! 「夜のストレンジャー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はアンソニー・マン監督の

 「夜のストレンジャー」に感謝を捧げようと思います。

夜のストレンジャー [DVD] - ウィリアム・テリー, アンソニー・マン, ウィリアム・テリー, ヴァージニア・グレイ, ヘレン・ティーミヒ
夜のストレンジャー [DVD] - ウィリアム・テリー, アンソニー・マン, ウィリアム・テリー, ヴァージニア・グレイ, ヘレン・ティーミヒ

 文通相手「ローズマリー」の家を訪れた海兵隊

 「ジョン・メドウズ」と彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 合理性と哀愁に彩られた異常心理劇であります。

 恋愛劇と推理劇の醍醐味を融合させた後

 極限まで軽量化したストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に「ロマンスとサスペンス、哀しみと憎しみを結ぶ絆」と

 複数の娯楽要素を組み合わせつつ

 合理的に物語を進行させる作劇法&編集術の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (物質と精神、行いと報いの関係を静かに写し出す

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「軽量級愛憎系サスペンス」の究極形態を目指して

 突き進む一作であると言えるでしょう。

 暇つぶし映画的サービス精神&技術と

 文学的苦味&神秘性の共存を図ることによって

 後年のサスペンス映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。