映画に感謝を捧ぐ! 「ヘアスプレー(1987年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・ウォーターズ監督の
「ヘアスプレー(1987年版)」に感謝を捧げようと思います。
ヘアスプレー [DVD] - リッキー・レイク, ディヴァイン, ソニー・ボノ, ジョン・ウォーターズ
ダンスを愛する少女「トレーシー」と
彼女を取り巻く人々の運命を描いた本作は
様々な文化が軽快且つ豪快に交錯する青春映画であります。
1950年代のアメリカを覆う「人種隔離&保守的文化認識」
1960年代アメリカに芽生えた「反抗文化」
1980年代陽気さが絡み合うストーリーと
ミュージカル、ドタバタ喜劇、MTVの技法が
融合した演出が一体となる光景は
私に社会の暗部に対する怒りを
喜劇的に放つ作劇法&映像技と
濃厚なキャラクター造形、軽やかと渋味を兼ね備えた音楽
庶民+バラエティ番組的ムード漂う風景&衣装の
融合がもたらす科学反応の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(漫画的な笑いとサクセス・ストーリーの爽快感を兼ね備えた
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「喜劇系1960年代論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
ブラック・ユーモアの雄J・ウォーターズ監督ならではの目線&技法と
存在力に満ち溢れた俳優&女優陣が
音楽&踊りと愛&友情の力を信じて
アメリカを蝕む病理の一つ「人種差別」に立ち向かう人々の
輝きを写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。