映画に感謝を捧ぐ! 「クリスマスの休暇」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロバート・シオドマク監督の
「クリスマスの休暇」に感謝を捧げようと思います。
世界の推理小説傑作映画 クリスマスの休暇 [DVD] - ディアナ・ダービン, ジーン・ケリー, リチャード・ウォーフ, ディーン・ハーレン, グラディス・ジョージ, ゲイル・ソンダーガード, デイヴィッド・ブルース, ロバート・シオドマク, サマセット・モーム, ハーマン・J・マンキーウィッツ, ディアナ・ダービン
サマセット・モームの同名小説をもとにして作られた本作は
物語&技法的葛藤に彩られた愛憎劇であります。
男女の愛と家族愛、異常心理サスペンス要素と恋愛劇要素
暇つぶし娯楽性と文学性がせめぎ合う
ストーリー&演出、キャラクター造形&キャスティングは
私に「ラブ・コメディ色の強い俳優&女優+挿入歌」を
異常心理劇の世界へと誘うことによって生じる科学反応と
愛の持つ魅力&危険要素を映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(狂気の終わり、悲劇の訪れ、新たなる人生への旅立ちを
静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「異常心理系恋愛悲劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
喜劇的風貌の中に凶悪性を宿す男
彼と狂気的な絆で結ばれた母親
彼らを恐れながらも愛を貫こうとした男の妻
そして、愛を失った後
運命の悪戯によって彼女たちの運命に接することによって
愛の奥深さを思い知らされた軍人の姿を
多彩な娯楽技法を駆使しつつ
暇つぶし映画的躍動感を保ち続けながら
描ききった本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。