映画に感謝を捧ぐ! 「珊瑚礁(1939年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はモーリス・グレーズ監督の「珊瑚礁(1939年版)」に
感謝を捧げようと思います。
フランス映画 パーフェクトコレクション ジャン・ギャバンの世界 2 DVD10枚組 ACC-091 - ジャン・ギャバン, ピエール・フレネー, シャルル・ヴァネル, ミシェル・モルガン, シモーヌ・ヴァレール, アナベラ, マドレーヌ・ルノー, イザ・ミランダ, マレーネ・ディートリッヒ, ミシェル・モルガン, ロベール・ル・ヴィギャン, アリ・ボール, ジャン・ルノワール, ジュリアン・デュヴィヴィエ, マルセル・カルネ, ジョルジュ・ラコンブ, ジャン・グレミヨン, ルネ・クレマン, モーリス・グレーズ
ブリスベンで殺人を犯し、船での逃走を図る男
「テッド・レナール」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
激しくも渋味の利いた「二転三転ぶり」を
披露してくれる一作であります。
犯罪サスペンス風に幕を開け
怪しげな道中劇→和やかな恋愛劇→残酷な悲劇へと
変化していくストーリー&演出は
私に、複数の娯楽要素を網羅する作劇法&映像技と
人生の持つ「複雑怪奇さ」を映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(呪われた過去を振り払い、人生を立て直そうとする男女と
関わる人間を不幸にしていく「人捜し」に疲れ果てた男の
静かなる友情に心打たれる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「フランス流ジャンル放浪系道中劇」の
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
スリル&サスペンス、ロマンス、哀愁、文学性を
取り込んでいく豪快さと
暴力描写&性描写を巧みに抑制する上品さを兼ね備えた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。