映画に感謝を捧ぐ! 「緋色の街」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフリッツ・ラング監督の「緋色の街」に
感謝を捧げようと思います。
ギャング映画 コレクション 暗黒街の獣たち ACC-174 [DVD] - ジェームズ・キャグニー, パット・オブライエン, ハンフリー・ボガート, エドワード・G・ロビンソン, ジョーン・ブロンデル, ゼロ・モステル, ローレン・バコール, マッジ・エヴァンス, ジョーン・ベネット, ジョージ・ラフト, アン・シェリダン, アレン・ロバーツ, ロン・マカリスター, ゲイル・ラッセル, ジョン・ランド, アン・ドヴォラック, ベティ・デイヴィス, マイケル・カーティス, ウィリアム・キーリー, ブレティン・ウィンダスト, デルマー・デイヴィス, アーチー・L・メイヨ, フリッツ・ラング, ラオール・ウォルシュ, ジョン・ファロー, マーヴィン・ルロイ
1931年の映画「牝犬」をもとにして作られた本作は
アメリカとヨーロッパの文化が絡み合う愛憎劇であります。
「牝犬」と「飾窓の女」の監督+主演男優&女優が
融合することによって生じる科学反応は
私に、純文学的渋味とサスペンス技法が
独特のバランスで共存する光景と
映画的リサイクル&加工術の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「飾窓の女」の終幕を沿いつつも
悲劇性&怪奇性を高めた方向へと着地することによって
罪を逃れ、生還した不幸な主人公・命を失うことによって愛を得た悪女
殺人犯に仕立て上げられ、処刑されることによって安らぎ&愛を
手に入れた悪漢という皮肉な構図を生成した
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「アメリカ&フランス連合型愛憎劇」の称号にふさわしい
作品であると言えるでしょう。
優れた芸術的才能を持ちながら
生かす場所を与えられぬ日々を生きる男
純情さと邪悪さの間で揺れ動く悪女
飽くなき欲望によって二人を「罪」へと誘う悪漢の運命を
アメリカ流悪女映画とフランス流悪女映画の
気質&技術を絡み合わせながら写し出す本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。