映画に感謝を捧ぐ! 「エマニュエル」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はフランシス・ジャコベッティ監督の

 「エマニュエル」に感謝を捧げようと思います。

エマニュエル《ヘア解禁版》 [DVD] - ミア・ニグレン, シルヴィア・クリステル, パトリック・ボーショー, フランシス・ジャコベッティ, ミア・ニグレン
エマニュエル《ヘア解禁版》 [DVD] - ミア・ニグレン, シルヴィア・クリステル, パトリック・ボーショー, フランシス・ジャコベッティ, ミア・ニグレン

 エマニュエル・アルサンの小説「エマニュエル夫人」を

 もとにして作られた人気シリーズの4作目となる本作は

 終わりと始まりが交錯する続編映画であります。

 美男美女によるロマンス、ポルノ的且つ上品なお色気

 観光旅行要素の融合によって名を成しつつ

 第3作目によって終焉を迎えたと思われたシリーズが

 

 「整形手術」によって新たなる肉体を得たヒロインの

 物語として甦らせるという試みは

 私に「終幕と開幕、過去と現在、愛と恐怖を結ぶ絆」を

 ポルノ映画的に表現する実験と

 俗物性と純文学性が独特のバランスで共存する光景の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 

 (男女の愛と性的欲求に宿る「神秘性&危うさ」を

 静かに写し出す幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに大胆不敵な発想と文学的装飾によって生を受けた

 「新エマニエル伝」であると言えるでしょう。

 S・クリステル版エマニエルの真なる最終章と

 M・ニグレン版エマニエルの序章を兼ね備えた本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。