映画に感謝を捧ぐ! 「男たち」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はフレッド・ジンネマン監督の「男たち」に
感謝を捧げようと思います。
男たち [DVD] - マーロン・ブランド, フレッド・ジンネマン, マーロン・ブランド, テレサ・ライト, ジャック・ウェッブ, スタンリー・クレイマー, ロバート・デグラス, ディミトリ・ティオムキン
戦場での負傷によって麻痺症となった男「ケン」と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
躍動感と重厚感が並び立つ過激作であります。
戦争の残酷性、障害者医療事情の一端
肉体と精神、個人と社会の複雑な関係に迫りつつも
娯楽映画的見せ場&効率主義を保ちながら進行する
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「戦闘描写に依存しない反戦メッセージ」
「娯楽性と社会告発性の両立を図る手法」
「静かさと激しさを兼ね備えた熱演」の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドに属しつつも、主人公&ヒロインを待ち受ける
「過酷な日々」を暗示させる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「軽量級戦争+障害者医療+社会論」の
雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。
1952年の映画「真昼の決闘」において
西部劇的見せ場、社会風刺、映像&物語的実験を
共存させることを可能にしたスタッフ陣が
武勇伝的戦争映画&多くの反戦映画では語られない
終戦後もつつく「戦争による肉体&精神的損傷」と
障害者の社会復帰を阻む物理&精神的壁を
世に知らしめることに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。