映画に感謝を捧ぐ! 「美女と怪物(1944年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョージ・シャーマン監督の
「美女と怪物(1944年版)」に感謝を捧げようと思います。
ホラー ミステリー 文学映画 コレクション オペラの怪人 DVD10枚組 ACC-210 - オリヴィア・デ・ハヴィランド, マーク・スティーヴンス, ボリス・カーロフ, ベラ・ルゴシ, ボブ・ホープ, ポーレット・ゴダード, マール・オベロン, レアード・クリーガー, ジョージ・サンダース, ライオネル・バリモア, モーリン・オサリヴァン, ウィリアム・パウエル, マーナ・ロイ, デニス・オキーフ, マーゴ, クロード・レインズ, スザンナ・フォスター, アン・ハーディング, ベイジル・ラスボーン, リチャード・アーレン, エリッヒ・フォン・シュトロハイム, アナトール・リトヴァク, エドガー・G・ウルマー, エリオット・ニュージェント, ジョン・ブラーム, トッド・ブラウニング, リチャード・ソープ, ジャック・ターナー, アーサー・ルービン, ローランド・V・リー, ジョージ・シャーマン
カート・シオドマクの小説「ドノヴァンの脳髄」を
もとにして1944年に作られた本作は
多彩な狂気と技術が集結したSF映画であります。
科学者的狂気、家族愛的狂気、金銭欲的狂気
文学的語り口が複雑に絡み合うストーリー
SF的装飾&特殊効果、怪奇的恐怖描写
活劇的アクション・シーンが融合した演出
「小説の挿絵」的佇まいと舞台劇的熱演を
兼ね備えた俳優&女優陣が一体となる光景は
私に「人体破壊に依存しない怪奇恐怖生成術」と
「正義と悪、精神と肉体の結びつき」と
「愛情&探求心に潜む魔性」を
映画的に表現する試みの一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの裏側に潜む悲劇を
巧みに隠蔽する事によって
幸福と不幸が表裏一体の関係であることを
示すかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)
一翼を担う作品であると言えるでしょう。
事故によって肉体機能を失った男が
マッド・サイエンティストの実験によって
他者の精神を支配する力を持つ「脳髄生物」として甦るという
豪快なる状況設定を
SF、ホラー、サスペンスの映像技を状況に応じて
使い分ける技術力と
狂気の映画監督として名を轟かせたE・V・シュトロハイムを
マッド・サイエンティスト役に据えるという
大胆不敵な配役術によって映像作品化させるという
大いなる実験によって
後年のSF映画に対する「道しるべ」の一つとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。