映画に感謝を捧ぐ! 「飢えたライオン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は緒方貴臣監督の「飢えたライオン」に

 感謝を捧げようと思います。

飢えたライオン [DVD] - 松林うらら, 緒方貴臣, 緒方貴臣, 田中マコト, 松林うらら, 水石亜飛夢, 筒井真理子, 菅井知美, 日高七海, 加藤才紀子, 竹中直人
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 ネット動画によって淫行疑惑をかけられた

 女子高生「瞳」と彼女を取り巻く人々の

 運命を描いた本作は

 クール且つ技巧的な残酷性&メッセージ性に彩られた

 和製青春映画であります。

 曖昧且つ過激な映像がもたらす「噂」の暴走によって

 和やかな日常が崩壊していく姿を

 静かに描いていくストーリーと

 細切れ的且つ淡々とした演出が一体となって

 

 ネット社会の魔性を写し出していく光景は

 私に、処理&判断力を超えるほどの情報量

 過激な映像によって人々の注目を集めつつ

 保身のために「自身の姿」を隠蔽する存在

 自制なき正義漢がもたらす惨劇と

 映像表現によって物語の持つメッセージ性を

 高める試みの一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (諸悪の根源がたどる「末路」を曖昧化することによって

 運命の無情さを示しつつ

 「熱しやすく冷めやすい」大衆心理を

 皮肉るかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「陰鬱系情報化社会論」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 ホラー映画とは異なる形の怪奇恐怖

 SF映画とは異なる手法による

 「テクノロジーの暴走」に対する警鐘

 暴力描写&性描写に依存しない恐怖生成術が

 一堂に会した本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。