映画に感謝を捧ぐ! 「踊る結婚式」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はシドニー・ランフィールド監督の
「踊る結婚式」に感謝を捧げようと思います。
振付師「ロバード・カーティス」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
和やか&堅実にして過激なミュージカル映画であります。
ミュージカル映画の大原則
「歌&踊りを披露するために物語を進行させる」を
守り抜く堅実さ
愛憎劇的に絡み合う男女関係を描きつつ
スリル&サスペンスよりもユーモアを重んじる和やかさ
1940年代前半でありながら「軍隊」を
笑い所&歌曲の舞台として扱う過激さが一体となった
ストーリー&演出は
私に「激動の時代」にあっても
マイペースな娯楽作品作りを貫く人々の勇姿と
高度な技術&体術によって
浮世離れした作品世界に説得力が発生する現象の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(恋愛映画的ハッピー・エンドと
ドタバタ喜劇的落としどころを共有する
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「恋愛喜劇系ミュージカル」の歴史に輝く
緩やかなる豪腕作であると言えるでしょう。
音楽業界の舞台裏、軍隊、男の哀しくも滑稽な本能を
軽快且つ技巧的に舞踏+喜劇化していく姿に圧倒される本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。