映画に感謝を捧ぐ! 「高校大パニック(1976年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回は石井聰互監督の

 「高校大パニック(1976年版)」に感謝を捧げようと思います。

高校大パニック+1/880000の孤独 [DVD] - 梅津正信, 中村ジョー, 入戸野誠, 山崎いずみ, 石井聰亙
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 ライフル銃を持って高校に乱入した男と

 彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は

 苦味と豪快さが交錯する異色の青春映画であります。

 アクション映画的暴力と学園ドラマ的日常が

 複雑且つ軽快に絡み合うストーリー&演出が

 鑑賞者の想像力を刺激する光景は

 私に空間限定型アクション映画と

 「1970年代型反抗文化」の融合がもたらす科学反応と

 状況説明的描写を極限まで抑制することによって

 生じる純文学性の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (勧善懲悪的事件解決の形態であるにもかかわらず

 爽快感よりも「陰鬱性&悲劇性」を感じさせる幕切れと

 なっている点も見逃せません。)

 まさに「和風軽量級陰性青春活劇」の称号にふさわしい

 一作であると言えるでしょう。

 1970年代的日本映画気質と

 

 小規模映画会社的倹約感&不安定感を兼ね備えた

 物語&映像を通じて

 後年の社会荒廃を先取りした「予言者敵影が」として

 光り輝く存在となった本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。