映画に感謝を捧ぐ! 「悪魔の人形」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はトッド・ブラウニング監督の「悪魔の人形」に

 感謝を捧げようと思います。

悪魔の人形 [DVD] - ライオネル・バリモア, モーリン・オサリヴァン, トッド・ブラウニング
悪魔の人形 [DVD] - ライオネル・バリモア, モーリン・オサリヴァン, トッド・ブラウニング

エイブラハム・メリットの小説「魔女を焼き殺せ」を

 もとにして作られた本作は

 様々な思い&技術がせめぎ合う怪奇映画であります。

 家族愛と憎しみ、復讐者とマッド・サイエンティスト

 サスペンス技法とSF技法、見世物性と文学性が

 絡み合うストーリー&演出が

 軽快さと渋味を両立させながら進行する光景は

 私に「怪奇恐怖と哀愁&人情を結ぶ絆」と

 殺人に依存しない復讐劇生成術の一形態を

 目の当たりにする機会をもたらしました。

 (ハッピー・エンドに属しつつも哀しみに包まれた

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「娯楽要素融合系怪談」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 「老女に扮した男性」に一定の現実感をもたらす名演

 「小型化した人間」の世界を映像化する特撮技術

 人間の持つ様々な感情と大衆娯楽的サービスを

 巧みに組み合わせた作劇法が一堂に会する事によって生を受け

 後年のSF&ホラー映画を導く存在の一つとなった本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。