映画に感謝を捧ぐ! 「寄席の脚光」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアルベルト・ラトゥアーダ&フェデリコ・フェリーニ監督の
「寄席の脚光」に感謝を捧げようと思います。
寄席の脚光 [DVD] - ペッピノ・デ・フィリッポ, カルラ・デル・ポッジョ, ジュリエッタ・マシーナ, ジョン・キッツミラー, フェデリコ・フェリーニ, アルベルト・ラトゥアーダ
寄席一座の座長「ケッコ」と彼を取り巻く人々の
運命を描いた本作は
様々な「本能」に彩られた恋愛喜劇であります。
男性的本能、女性的本能、芸人的本能
富裕層的本能、娯楽産業的本能のせめぎ合いを
陽気さと渋味の均整を保ちながら写し出していく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に日常劇、舞台裏映画、愛憎劇、道中劇が
独特のバランスで共存する光景と
男の気まぐれさ+純情と女の知略+魅惑を
映画的に表現する手法の一形態を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドと見せかけて
新たなる不安要素を示すことによって
男性&芸人的本能を抑制し、理性的に振る舞う事の
難しさを示した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「イタリア喜劇系芸人&男女論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
娯楽性と文学性、舞台劇的魅力と映画的魅力
滑稽さと哀愁、野心と愛が複雑に絡み合う本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。