映画に感謝を捧ぐ! 「ディストラクション 合衆国滅亡」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリチャード・ジェフリーズ監督の
「ディストラクション 合衆国滅亡」に感謝を捧げようと思います。
ディストラクション 合衆国滅亡 LBX-532 [DVD] - ジョナサン・シェック, エリカ・リーセン, ジェームズ・マクダニエル, ジェイソン・ワイルズ, リチャード・ジェフリーズ
廃棄処分となった米軍基地から出現した
モンスターに立ち向かう人々の運命を描いた本作は
様々な皮肉に彩られたモンスター映画であります。
モンスター映画の法則に沿って進みつつ
「潜在的にマッド・サイエンティスト化した父の遺志を引き継ぐ」
「モンスターの攻撃によって対抗手段を得てしまう」という
皮肉を放つストーリーと
幻惑感&省力感満載の演出が一体となる光景は
私に「ハッタリ精神と節約精神を両立させた」モンスター映画作りと
「狂気に囚われた家族への愛故に
周囲を惨状に巻き込んでしまう」という過ちが
混乱の中で正当化されてしまう姿を通じて
「歴史」を皮肉る試みの一形態を目の当たりにする
機会をもたらしました。
(「勝てば官軍」色を前面に出すことによって
作品の持つ「ブラック・ユーモア性的メッセージ」を
鮮明化させた幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ブラック・ユーモア系モンスター映画」史上屈指の
風刺的珍作であると言えるでしょう。
モンスター映画的ご都合主義と
サスペンス映画的思わせぶりの数々を
「無意識的風刺」の領域へと誘うことに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。