映画に感謝を捧ぐ! 「ファイブ・デイズ・ウォー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はラッセル・マルケイ監督の

 「ファイブ・デイズ・ウォー」に感謝を捧げようと思います。

ファイブ・デイズ・ウォー [DVD] - リッキー・シュローダー, フィル・マッキー, ジェイミー・ハリス, ラッセル・マルケイ, リッキー・シュローダー
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 第1次大戦期のフランスにおける実話をもとにして作られた本作は

 クール且つ技巧的な皮肉に彩られた実話系戦争映画であります。

 「状況説明的台詞&キャラクター造形」の抑制と

 幻惑的且つ暴力色の強い戦闘描写によって

 戦争の残酷性+理不尽性と

 アメリカ軍に潜む「差別性」を世に示すという試みは

 私に「連合軍礼賛」の装飾を纏いながら

 反戦メッセージを放つ試みと

 娯楽的魅力に背を向けた映像&ストーリー展開の

 秘めたる効能の一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (「武勇伝」に対する静かなる皮肉を感じさせる

 幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「記録映像型戦争映画入門」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 第1次大戦期の激戦を通じて

 異人種交流の難しさ、指揮官と現場の精神的乖離

 空爆のリスクがもたらす悲劇を後世に示すことに挑んだ本作と

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。