映画に感謝を捧ぐ! 「デンジャラス・インテンションズ 危険な衝動」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョセフ・トロイア監督の
「デンジャラス・インテンションズ 危険な衝動」に
感謝を捧げようと思います。
デンジャラス・インテンションズ (危険な衝動) [DVD] - パオロ・マルコ・カテリーノ
女性をレイプした右翼過激派を襲撃した男女3人の
運命を描いた本作は
怪しさと葛藤に彩られた青春映画であります。
純文学的心の声&会話、ポルノ的性描写
サスペンス的犯罪、革命論的メッセージが
複雑に絡み合ったストーリー&キャラクター造形と
幻惑的且つ陰鬱に進行する演出が一体となる光景は
私に「1970年代反抗文化」の名残と
娯楽的見せ場となる部分を意図的に抑制し
その前後に重きを置いた作劇法&映像技の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(精神的ハッピー・エンドと物理的悲劇を
静かに融合させたかのような幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「幻惑+節約型陰性正義論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
階級格差&性的相違を超えた絆で結ばれた男女3人が
過激且つ刹那的な思いによって破滅的な方向へと向かっていく姿を
娯楽的サービス精神と文学性をせめぎ合わせながら描いていく本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。