映画に感謝を捧ぐ! 「明日では遅すぎる」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はレオニード・モギー監督の「明日では遅すぎる」に
感謝を捧げようと思います。
明日では遅すぎる [DVD] - アンナ・M・ピアアンジェリ, レオニード・モギー, アルフレッド・マシャール, マリオ・シャヴェリ, アレッサンドロ・チコニーニ, アンナ・M・ピアアンジェリ, ジーノ・レウリーニ, ヴィットリオ・デ・シーカ, ガブリエル・ドルジア
伝統主義を掲げる学校に通う少年少女と
教師たちの運命を描いた本作は
堅実にして壮大な青春映画であります。
少年少女の哀しき恋模様と
様々な目線で彼らに向き合う教師たちの姿を通じて
人生&時代の過渡期がもたらす
「摩擦」を描いていくストーリー&キャラクター造形と
技巧性を抑制し、上品さを保ちつつも
見せ場となる部分をもり立てていく演出が一体となる光景は
私に「学校と社会、大人と子供の関係」についての一考察と
文学+教訓劇的スリル&サスペンスの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(万事解決のハッピー・エンドに背を向けながらも
ささやかな「希望の光」を写し出す幕切れと
なっている点も見逃せません。)
まさに「日常劇+恋愛悲劇型教育論」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
若者心理と伝統主義、男性心理と女性心理
大衆娯楽性と社会派性
記録映像的素朴さとサスペンス技法がせめぎ合う本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。