映画に感謝を捧ぐ! 「都会の叫び」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はロバート・シオドマク監督の「都会の叫び」に
感謝を捧げようと思います。
都会の叫び [DVD] - ヴィクター・マチュア, ロバート・シオドマク, ヴィクター・マチュア, リチャード・コンテ, フレッド・クラーク, シェリー・ウィンタース
ヘンリー・エドワード・ヘルセスの同名小説を
もとにして作られた本作は
情味とサスペンス技法が交錯する犯罪映画であります。
飽くなき欲望と愛のために
犯罪の底なし沼へと落ちていく凶悪犯と
同郷の友へに対する情と正義漢の間で
揺れ動きながらも彼を追う警部補の運命を
様々な作劇&映像技法を駆使して描いていく
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に「教訓性と極道映画的魅力のせめぎ合い」と
善と悪を結ぶ「絆」を映画的に表現する試みの
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(哀しさ&虚しさの中にささやかな希望を宿す
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「人情+技巧派犯罪映画」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
大衆娯楽的スリル&サスペンスと
文学的苦味&哀愁を並び立たせながら
情味と凶暴性が複雑に絡み合った「対決」を
描くことに挑んだ本作と
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。