映画に感謝を捧ぐ! 「日曜はダメよ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はジュールズ・ダッシン監督&主演の

 「日曜はダメよ」に感謝を捧げようと思います。

日曜はダメよ [DVD] - メリナ・メルクーリ, ジュールス・ダッシン, ジュールス・ダッシン
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 研究のためにギリシャを訪れたアメリカ人「ホーマー」と

 

 港町の娼婦「イリア」の運命を描いた本作は

 和やかで鋭い風刺を放つ恋愛喜劇であります。

 自由奔放に町を駆け抜け、人々を魅了するヒロインと

 彼女に知識を与えることによって

 「淑女」にしようとする外国人の交流を通じて

 アメリカを覆う「自国本位的国際認識」と

 知識人特有の独善性に対する

 ユーモラスでありながらも強烈な「皮肉の刃」を放つ

 ストーリー&演出、キャラクター造形は

 私に、文化摩擦と格差系ラブ・コメディが融合することによって

 

 生じる科学反応と

 地域性と人間性、教訓性と娯楽性を結ぶ絆の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (鮮やかな「文化的逆転劇」と西部劇的渋味が

 共存する幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「恋愛喜劇系文化論」の雄と呼ぶにふさわしい

 作品であると言えるでしょう。

 「ピグマリオン」の流れを汲む男女関係、ギリシャ文化

 東西冷戦の高まりによって「自由の国」であることを

 失いつつあるアメリカと袂を分かち

 愛妻と共に異境の地で羽ばたいた

 J・ダッシン監督の思いが交錯する

 生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。