映画に感謝を捧ぐ! 「日曜はダメよ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジュールズ・ダッシン監督&主演の
「日曜はダメよ」に感謝を捧げようと思います。
日曜はダメよ [DVD] - メリナ・メルクーリ, ジュールス・ダッシン, ジュールス・ダッシン
港町の娼婦「イリア」の運命を描いた本作は
和やかで鋭い風刺を放つ恋愛喜劇であります。
自由奔放に町を駆け抜け、人々を魅了するヒロインと
彼女に知識を与えることによって
「淑女」にしようとする外国人の交流を通じて
アメリカを覆う「自国本位的国際認識」と
知識人特有の独善性に対する
ユーモラスでありながらも強烈な「皮肉の刃」を放つ
ストーリー&演出、キャラクター造形は
私に、文化摩擦と格差系ラブ・コメディが融合することによって
生じる科学反応と
地域性と人間性、教訓性と娯楽性を結ぶ絆の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(鮮やかな「文化的逆転劇」と西部劇的渋味が
共存する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「恋愛喜劇系文化論」の雄と呼ぶにふさわしい
作品であると言えるでしょう。
東西冷戦の高まりによって「自由の国」であることを
失いつつあるアメリカと袂を分かち
愛妻と共に異境の地で羽ばたいた
J・ダッシン監督の思いが交錯する
生きて映画を観ることのできる幸せに深い感謝を!!!。