映画に感謝を捧ぐ! 「底流」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。

 今回はヴィンセント・ミネリ監督の「底流」に

 感謝を捧げようと思います。

底流 [DVD] - キャサリン・ヘプバーン
底流 [DVD] - キャサリン・ヘプバーン

 発明家兼会社経営者「アラン・ギャロウェイ」と

 彼の妻となった女性「アン」の運命を描いた本作は

 娯楽的陰影がせめぎ合う愛憎劇であります。

 ラブ・コメディ+ホームドラマ風味溢れる世界に

 異常心理サスペンスの影が忍び寄り

 狂気へと飲み込まれていく姿を

 丹念に描いていくストーリー&演出は

 私に「和やかさと怪しさを使い分ける」俳優&女優陣の技と

 穏やかな人生が疑心&劣等感によって崩れていく恐怖の

 一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。

 (安易なロマンスに溺れず、人間関係の適性範囲を維持する

 節制を持つ幕切れとなっている点も見逃せません。)

 まさに「ジャンル葛藤系愛憎劇」の一翼を担う

 作品であると言えるでしょう。

 喜劇的ユーモア、人情劇的家族関係

 サスペンス的謎解き&恐怖、スター主義が

 複雑に絡み合う本作と

 生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。