映画に感謝を捧ぐ! 「底流」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヴィンセント・ミネリ監督の「底流」に
感謝を捧げようと思います。
発明家兼会社経営者「アラン・ギャロウェイ」と
彼の妻となった女性「アン」の運命を描いた本作は
娯楽的陰影がせめぎ合う愛憎劇であります。
ラブ・コメディ+ホームドラマ風味溢れる世界に
異常心理サスペンスの影が忍び寄り
狂気へと飲み込まれていく姿を
丹念に描いていくストーリー&演出は
私に「和やかさと怪しさを使い分ける」俳優&女優陣の技と
穏やかな人生が疑心&劣等感によって崩れていく恐怖の
一形態を目の当たりにする機会をもたらしました。
(安易なロマンスに溺れず、人間関係の適性範囲を維持する
節制を持つ幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「ジャンル葛藤系愛憎劇」の一翼を担う
作品であると言えるでしょう。
喜劇的ユーモア、人情劇的家族関係
サスペンス的謎解き&恐怖、スター主義が
複雑に絡み合う本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。